2017年12月
保育心理士エッセイ
  
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角田 春高
(育て直し・育ち直り実践アドバイザー)


                              
「発達障害児」ってどんな子どものことかな

私が保育者との事例検討が始めて、約40年になろうとしています。当時から、「気になる子」を取り上げて、発達の視点で子どもを理解し、経験不足や偏りのあった乳幼児体験を適切に経験するような関わり方を保育者に助言・指導してきました。平成17年に「発達障害者支援法」が施行される頃から保育の分野でも「発達障害」という言葉が使われるようになり、「気になる子」という言葉は使われなくなりました。
この間、「気になる子」「発達障害」を含めて、保育者が気になる子ども一人ひとりを取り上げて、子どもに子どもらしさが出るように保育者に対して発達の視点での「育て直す」助言・指導してきました。自らのカウンセリング活動と共にその活動の中で、注目すべきことの一つが、「発達障害」はどの様な障害かという疑問です。
「発達障害」とは、常識では、「生まれつきの脳機能障害によるもので、部分的な改善は見られても治ることは期待できない」と言われています。しかし、これまでの私の相談・援助活動では、専門医による診断の出ている事例も専門医が「発達障害」との診断を出すと思われる事例においても、「育て直す」援助・指導をお粉手、全て3ヶ月や半年の間、「発達障害」の診断特徴を持ち合わせた事例は一例もないのです。たまたま得られた結果かも知れませんが、ここに疑問が出てきます。
更に判ってきたことは、子どもが親や保育者から育て直しを受けると、子どもは第3課題を達成するまで変化、成長します。その変化、成長を主治医と面談する母親が認めると、園での様子を伝えるので、主治医は「発達障害」の診断を外す事例が複数出てきています。子どもに「発達障害」の特徴が見られなくなった時、親や保育者には子どもを育てる関わり方を行って、子どもが成長・発達を続けることで、子どもらしい子どもになっていくものです。
保育者には、「発達障害」及びそれを疑われる子どもたちに、くすぐっては抱きしめて、くすぐられたら笑えるようになり、くすぐり返しが起きるような関わり方をしてみてください。年相応に発達した姿を現していない子どもには、発達の順序をさかのぼって関わり直してみてください。
「発達障害」「気になる子」について、どの様に理解して関わったら良いのか、一緒に考えたいと思います。


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